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ま ち づ く り 提 言
武蔵小杉駅周辺視察会報告 その3
視察会を終えて
「武蔵小杉駅周辺視察会報告書」に収録した提言や感想を紹介します。
○日野市の自転車等の駐車秩序の確保に関する条例」 ☆川崎市自転車等駐車場の附置等に関する条例
■提 言

「歩きやすく」「自転車の利用しやすい」まちづくりを目指す 〜

川崎の交通とまちづくりを考える会 代表 野口浩史


(1)行政への提言 〜 市民とともに交通とまちづくりに取り組む 〜

 武蔵小杉駅周辺は、再開発により街の景観が大きく変貌を遂げ、313日には横須賀線武蔵小杉新駅がオープンするなど、いわば「光」の部分がクローズアップされ、事実今回の視察会でも参加者からは再開発に対する一定の評価と期待の意見が多く寄せられた。

その一方で、放置自転車問題を筆頭に、自転車走行空間と道案内表示の不足、路上看板・商品陳列などで歩きにくいなどの「影」の部分を指摘する声も多く挙げられた。

こうした結果を踏まえて、行政関係機関に対する武蔵小杉駅周辺の「まちづくりと交通環境整備」については、以下の提言をする。

@放置自転車対策:武蔵小杉駅周辺の放置自転車対策については、「自転車と共生するまちづくり推進委員会」の永年に亘る活動なしには語れない。行政関係機関にはこうした市民活動へのより一層の支援とともに、市民の参加機会の拡大を強く望む。

A駐輪場整備:大型駐輪場の設置だけではなく、駐車場への駐輪場敷設条例等(P.12参照)の整備、分かりやすい案内表示、駐輪場マップ等の充実を望む。また、エコステーション21(P.10参照)等のように、武蔵小杉駅周辺に点在する小さな空きスペースを活用した小規模駐輪場を少しでも多く確保する方策を講じて頂きたい。

B自転車走行空間の確保:自転車を住民の最重要交通手段として位置付けると共に、交通需要マネジメントの観点に立ち、自動車乗り入れ制限区間の設置や車道の自転車優先利用時間帯の設定など、社会実験や住民・関係者との協議を重ねつつ、自転車の利用しやすい交通環境整備を推進して頂きたい。

C歩道対策:路上に違法に置いた看板の撤去、段差解消、夜間照明の設置、案内表示等の充実などのきめ細かい対策により「歩きやすいまちづくり」を進めることを望む。

(2)市民への提言 〜 いつも心にチェックシートを持ってまちを歩こう 〜

 多くの市民にとり、道路や交通機関は水や空気のような存在で、たとえ不満を持ったとしても、我慢するか自分以外の誰かが何とかしてくれるだろうと考え、自ら何らかの行動に出ることはほとんどない。しかし、普段の買い物で不良品を買わされれば、メーカーに苦情や改善を要求するのが当然の世の中、道路・交通機関のユーザーである我々市民が苦情や改善を要求するのは不自然ではない筈だ。また、海外では「交通権」が基本的人権と同列に位置付けられ、市民が交通やまちづくりに積極的に参画する例が少なくない。

 当会では、「交通とまちづくり」について様々な課題を発見し、問題意識を持ち、何らかの行動に出る市民が一人でも増えることを目的として視察会を実施した。また、課題点等については「見える化」するため、チェックシートを準備して参加者に記入してもらった。

そこで、市民に対しては、いつも心にチェックシートを持ってまちを歩き、「良いところ」と「悪いところ」の評価づけや課題点を発見し、その解決には何が必要なのか、自分は何ができるのかなどについて考える習慣を持つことを提言したい。
 当会ではそうした意識を持った市民が一人でも多くなり、できればメンバーに加わって頂きともに川崎の交通とまちづくりに取り組んでいきたいと考えて、視察会等の活動を続けている。

 ●上写真:手前は東急武蔵小杉駅、後方が横須賀線武蔵小杉駅のプラットホーム
 ●下写真:武蔵小杉、新幹線、路線バス、横須賀線列車、右中央に小さく横須賀線武蔵小杉駅のプラットホームが見える。

武蔵小杉駅は地域の玄関

                川崎の交通とまちづくりを考える会 副代表 井坂 洋士 

 ここ小杉駅前(北口)バスターミナルからは、毎日約690本(平日片道、送迎バス等を除く)ものバスが運行しています。平均しても12分に1台のバスが、幸区、高津区、宮前区野川・有馬方面に向けて発車してゆきます。つまり、ここ武蔵小杉駅は中原区の玄関口であることはもちろん、周辺地域に住む多くの皆さんの玄関口にもなっています。
 このバスターミナルは、先ほどから見てきた再開発が行われている駅東地区とは反対側になりますが、再開発と無縁ではありません。まず、3月の横須賀線武蔵小杉駅の開業に合わせて、横須賀線新南改札前を発着し井田・日吉地区方面へ向かうバス路線5系統が新設されます。さらに東急武蔵小杉駅東口にもバスターミナルが造られており、ここには東急バスの路線が発着するようになると言われています。その時には、ここ小杉駅前を発着するバス路線が再編されることになるようです。
 このように大きく変わろうとしている小杉駅前のバス路線。ところが、この毎日2万人近くもの人が利用しているバスがどう変わってゆくのか、私たち市民にはなかなか情報が入ってきません。電車と同様、バスも利用している方にすれば毎日の生活に欠かせない大切な交通手段です。市や事業者には一層の情報開示が、また私たち市民には一層関心を持つことが求められていると思います。
   自転車にやさしい、まちづくりへの提言

川崎の交通とまちづくりを考える会 運営委員 高橋喜宣

 武蔵小杉駅周辺に約1,500台、中原区内では約5,800台の放置自転車がある。市は武蔵小杉新駅に4階建1,380台収容の駐輪場を建設するなどの対策を行っているが、駐輪場の不足は明らかだ。
 (写真は武蔵小杉タワープレイス前放置自転車)

川崎市建設局自転車対策室の方針は「放置しない、させない、許さない」と「市民一人ひとりの心がけが大切」とモラルに訴え、「放置問題の解消に向け、一団となって努力している」と言う。

当会は自転車問題について「自転車は熱い」と題して、国内のみならず欧米、アジア各国の自転車事情を調べ、当会のホームページに発表してきた。そこで多くの国が国家戦略として自転車を交通手段として位置づけようとしていることが分かった。例えば、韓国では李明博(イ・ミョンバク)大統領が「炭素を排出しない自転車を主要交通手段として復活させることが、我々が進む道」と訴える。

 ガソリン乗用車(普通・小型車)なら1kmあたり173gCO2を出す。自動車は供給過剰な駐車場を利用してその地位を謳歌している。自転車なら、有り余る人の脂肪という資源を活用して、CO2排出ゼロだ。だが、自転車の地位は低い。邪魔者ではなく、自転車に市民権を与えるべきだ。自転車こそ、CO2削減25%の国策に合致している、21世紀の都会の主役となるべき存在と言えよう。

人口約23万人の中原区は、地形がほぼ平らで、集合住宅と単身世帯が多いという特徴がある。商業者にとっても、駐車場の整備コストと駐輪場設置のメリットを天秤にかけて自転車による来店を奨励して、環境にやさしい企業としてアピールすると、売上増加につなげられるのではないか。新しい街づくりが進む武蔵小杉にこそ自転車にやさしい街づくりができると考え次のような提言をしたい。

【 提 言 】

 1.商業施設に駐輪場の設置を義務化する条例を設置する。

 (日野市は「自転車等の駐車秩序の確保に関する条例」で業種別に具体的な数値を上げて設置義務化。300u超の遊戯場には15u毎に1台、400u超のスーパーは20u毎に1台等)

 2.駐車場に駐輪場を敷設する条例を設置する。
  (米国ポートランド市で実施中。当会HP「自転車が熱い、米国編」参照

3.自転車販売店の協力で、大型駐輪場に自転車の整備・修理をするコーナーを設ける。

 4.自転車禁止地域を指定するだけではなく、HPや掲示板利用をして駐輪場の案内に力を注ぐ。

5.公開空地に駐輪場を設置する。

(例として、溝の口駅の丸井・みずほ信託銀行前の公開空地に駐輪場が設置されている=右写真

武蔵小杉タワープレイス前放置自転車=左写真=を溝の口の駐輪場=右写真=のように整備できないか?

☆公開空地に駐輪場設置は可能だ!
 
 溝の口の公開空地での駐輪場=右写真=は、 『国土交通省より「屋根のない駐輪場は建造物にあたらず、神奈川県の条例では公開空地への設置が認められる」という申請許可の回答を得た。これを受けノクティ溝の口の公開空地の駐輪場設置は始動した』という。

 「溝の口駅周辺は、放置自転車全国ワースト4位と呼ばれた地域。駅に隣接する商業施設ノクティ溝の口も深刻な駐輪問題に悩んでいた。問題となっていた場所は「公開空地」と呼ばれる私有地ゆえ行政による撤去もできず、川崎市の条例によって駐輪場の設置も不可能だった」。

 料金は2時間30分まで無料で、その後4時間毎100円だ。

 「川崎市はノクティ溝の口の地下に有料の市営駐輪場を設置していたが、地下であるため利用率は低かった。無料ですぐにとめられるノクティ周辺はかっこうの自転車置き場になっていたのだ。私有地ゆえ行政に撤去を依頼することもできず、ノクティ溝の口は頭を抱えていた。解決索を模索していたところ、NCDの存在を知り、問い合わせにいたった」。

詳細はエコステーション21のホームページ参照
日野市の「自転車等の駐車秩序の確保に関する条例」
(自転車等駐車場を設置しなければならない区域の指定)
第20条 自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律(昭和55年法律第87号)第5条第4項の規定に基づき自転車等駐車場を設置しなければならない区域は、都市計画法(昭和43年法律第100号)第8条第1項第1号に規定する区域内の商業地域及び近隣商業地域の全域並びにその他自転車等の駐車需要の著しい地域とする。
(平成7条例6・追加、平成17条例35・旧第19条繰下)
(自転車等駐車場設置の規模)
第21条 前条で指定した区域内において、別表第3に定める用途に供する施設を新築し、又は増築しようとするものは、当該施設若しくは敷地内又は当該施設からの距離がおおむね50メートル以内に同表で定める基準に従い自転車等駐車場を設置しなければならない

別表第3(第21条関係)
(平成7条例6・追加、平成17条例35・一部改正)
施設の用途
規模
施設の規模
自転車等駐車場の規模
遊技場
店舗面積が300平方メートルを超えるもの
店舗面積15平方メートル(5,000平方メートルを超える部分については、30平方メートル)ごとに1台
百貨店、スーパーマーケット
店舗面積が400平方メートルを超えるもの
店舗面積20平方メートル(5,000平方メートルを超える部分については、40平方メートル)ごとに1台
銀行その他の金融機関
店舗面積が500平方メートルを超えるもの
店舗面積25平方メートル(5,000平方メートルを超える部分については、50平方メートル)ごとに1台
前記の用途に分類されない施設
床面積が200平方メートルを超えるもの
床面積20平方メートルごとに1台
備考
1 1台に満たない台数は切り捨てる。
2 市長が特にやむを得ないと認めた場合は、協議の上自転車等駐車場の規模を緩和することができる。
参考サイト
日野市 自転車等の駐輪スペースの設置について
日野市 ◎日野市駐輪場・自転車保管場所(自転車置き場)案内図・・・・禁止地域ではなく、案内を主眼につくられている。
日野市自転車等駐車場整備基本計画 2010年4月15日登録。84頁の計画書が公開されている。
日野市の自転車マップ
8 豊田駅北第1駐輪場 旭が丘1丁目4番地 728台 552メートル 陸橋下・舗装・ラック有 無料
9 豊田駅北第3駐輪場 多摩平1丁目29番地 168台 69メートル 舗装・屋根 有料
10 豊田駅北第4駐輪場 多摩平1丁目29番地 278台 29メートル 舗装・屋根 有料
11 豊田駅北第5駐輪場 多摩平1丁目14番地 265台 350メートル 舗装・屋根 有料
12 豊田駅北第6駐輪場 多摩平1丁目14番地 403台 350メートル 舗装・屋根 有料
13 豊田駅北口パーキングポスト 多摩平1丁目25番地 129台 175メートル パーキングポスト 有料
14 豊田駅東臨時駐輪場 多摩平2丁目14番地 150台 341メートル 未舗装・公園内 無料
16 豊田駅南第1駐輪場 東平山3丁目5番地 542台 497メートル 陸橋下・舗装・ラック有 無料
17 豊田駅南第2駐輪場 豊田4丁目19番地 174台 419メートル 舗装 無料
18 豊田駅南第3駐輪場 豊田4丁目17番地 177台 402メートル 舗装 無料
19 豊田駅南第4駐輪場 豊田3丁目40番地 150台 150メートル 舗装 有料
駐輪場の案内ではなく、禁止地区を中心としたマップしかないのだろうか?
川崎市自転車等駐車場の附置等に関する条例
 川崎市では、平成17年10月1日から川崎市内(都市計画法で定める市街化調整区域及び工業専用地域を除く。)で、自転車等の大量駐車需要を生じさせる一定規模以上の集客施設や商業施設等を新築又は増築する場合、施設の設置者は、利用者のためにその施設若しくはその敷地内又は施設から50メートル以内の場所に、「川崎市自転車等駐車場の附置等に関する条例」で定められた基準に従い算定した台数が20台以上の時は、算定した台数以上の自転車等駐車場を設置しなければならないことになりました。詳細
区分 施設の用途 施設の規模 自転車等駐車場の規模 算定の範囲
小売店舗、物品(映画、音楽等の複製物に限る。)を賃貸する事業所及び飲食店
 【小売店舗(百貨店、スーパーマーケット等含む。)、レンタルビデオ店、食堂、喫茶店などの飲食店】
施設面積が400uを超えるもの 施設面積20uごとに1台 売場,売る場間の通路、商品の陳列窓及び陳列室、承り所、会計場所、物品加工修理場、客席、調理室、待合室その他これらに類する部分の床面積
銀行その他の金融機関
 【銀行、信用金庫、労働金庫、信用協同組合、証券会社などの金融機関】
施設面積が500uを超えるもの 施設面積25uごとに1台 営業室、待合室、応接室、現金自動支払機設置室その他これらに類する部分の床面積
遊技場
 【ぱちんこ屋、まあじゃん屋、ゲームセンターなどの遊技場】
施設面積が300uを超えるもの 施設面積15uごとに1台 遊技室、景品交換所、その他これらに類する部分の床面積
専修学校、各種学校その他の技芸等の教授を目的とする施設
 【専修学校、各種学校、学習塾、語学教室、料理教室、自動車教習所などの施設】
施設面積が300uを超えるもの 施設面積15uごとに1台 教室、講堂、実習室、図書室、資料室その他これらに類する部分の床面積
スポーツ施設
 【体育館、ボウリング場、ゴルフ練習場、フィットネスクラブなどの施設】
施設面積が500uを超えるもの 施設面積25uごとに1台 競技場、運動場、練習場、更衣室、浴室、シャワー室、休憩室、観覧席その他これらに類する部分の床面積
カラオケボックスその他これに類する施設
 【カラオケボックスなどの施設】
施設面積が400uを超えるもの 施設面積20uごとに1台 個室、待合室、売店その他これらに類する部分の床面積
病院、映画館、美術館その他これらに類する施設
 【病院、診療所、映画館、劇場、演芸場、観覧場、美術館、博物館、展示場などの施設】
施設面積が400uを超えるもの 施設面積20uごとに1台 待合室、診療施設、検査施設、会計場所、観客室、展示室その他これらに類するもののうち、専ら利用者の利用に供する部分の面積
郵便局その他の官公署、図書館、公民館その他これらに類する施設
 【郵便局、区役所、税務署、図書館、公民館、集会所、公会堂などの施設
施設面積が300uを超えるもの 施設面積15uごとに1台 待合室、応接室、会議室、集会室、展示室その他これらに類するもののうち、専ら利用者の利用に供する部分の床面積


(1) この表により算定自転車等駐車場の規模が1台に満たない端数が生じたときは、その端数
   を切り捨てます。
(2) 混合用途施設については、当該用途ごとに上表で自転車等駐車場の規模を算定し、その
   合計が20台以上である場合に自転車等駐車場設置しなければなりません。
(3) 施設面積が5,000uを超える施設には、5,000u〜10,000uの部分については、設置規模
   に基づき算定した台数に0.5を乗じて得た台数、10,000u以上の部分については、0.25を
   乗じて得た台数に緩和する特例措置があります。
(4) 施設面積が500uを超える小売店舗には、500uを超える部分については、設置規模に基づ
   き算定した台数に0.1から1.0までの範囲内で規則で定める率を乗じて得た台数に緩和する
   特例措置があります。(後掲に別表を参照してください。)
上表により、算定した台数が20台以上の時に、算定した台数以上の自転車等駐車場を設置しなければなりません。
☆荒川区、自転車駐車場の民間助成
助成額は?・・・次の標準建設費または建設に要した経費のいずれか低い額の2分の1以内
平置き式駐車場・・・収容台数×2万1千円
立体式駐車場・・・収容台数×4万2千円

※注釈 限度額は、平置き式駐車場は200万円、立体式駐車場は400万円です。
※注釈 標準建設費または建設に要した経費が30万円未満の場合は助成の対象となりません。
詳細は荒川区ホームページをご覧下さい。

視察会を振り返って

■ まずは視察会を終え、こうして無事報告書刊行まで至り、ほっとしている。

これもひとえに当日ご協力頂いた関係者やご参加頂いた方々、そして何よりもメンバーの協力の賜物であり、この場をお借りして深く感謝を述べたい。「忙しいけれどまちづくり参加」とは、当会のキャッチフレーズでもあるが、個人的には公私共に諸事重なり、とにかく時間に追われ、本来であればもっと内容を充実できたのではないかと反省しきりである。

 さて、こうして改めて視察会を報告書として振り返ってみて感じたことは、一般参加者を得たことで、メンバーだけの視点ではなく、客観的な視点に立つことができたことと、我々では気がつかなかった点などの指摘もあったことにある。とりわけ、発展を続ける武蔵小杉の「光」の部分だけではなく、その足元の交通やまちづくりにおける「影」の部分に気付き、我々市民として、どうかかわっていけば良いのかについて考えるきっかけとなり、当初の目的はほぼ達せられたと思う。今回の経験をもとに、今後とも市内視察会を企画・実施していきたい。      
                                              (野 口)

■ かつて中原町の外れの小集落だった小杉・新丸子東地区は、南武線と東横線が交差する交通の要衝になったことで、いま目覚ましい発展を見せています。私たちの毎日の生活に欠かせない地域交通は、まさに「まちづくり」の要であり、まちを変える力すら持っています。ところが、いざ視察会で歩いて見ると、あれもこれもと問題点が見えてきました。
この視察会が、私たちの住むまちを安全・快適で人と環境にやさしくするためのきっかけになればと期待しています。                                              (井 坂)

■ 武蔵小杉地区の変貌ぶりに一番戸惑っているのは、古くからこの地域に住んでいる方々ではないだろうか。再開発された地区では、何所も新旧住民の融合が大きな課題と聞いているが小杉も例外ではないと思う。これからも増大する新住民がいかに地域に溶け込み、在来の人々と一緒になって自分たちの「まち」を創っていくのか注目している。
                                                                      (小田部)

■ 武蔵小杉は私の住んでいる街。今回の視察会事業を通じて、自分の街を見直す機会を得て、20年住んでいる街の変貌を実感できました。10頁で紹介のエコステーション21駐輪場がある等多くの新しい発見をしました。一人の目でなく仲間や参加者と一緒に視察したから実現できたといえましょう。文献やインターネット検索だけではなく、実際の調査が街の問題発見・解決につながると思いました。

本年度も当会で川崎駅周辺の視察会を地元の団体と協力して実施する予定です。皆さんと一緒の視察事業をしていきたいと思っています。                                                    (高 橋)

 小生は、南武線の旧「グラウンド前」駅があった所の花壇となっている武蔵小杉駅周辺の北地区を芳賀さんらのご協力によりご案内致しました。

新日本石油の社宅跡を通り、東京ガス武蔵小杉営業所の先を右に曲がり小住宅が密集するところを通って日本医大新丸子校舎脇、そして同グランドと付属武蔵小杉病院の間の道を通って医大モール商店街から新丸子駅前に、更に東急東横・目黒線の高架に沿って南武線武蔵小杉駅北口バスターミナルまでをご案内致しました。

医大グランドは恒例の「小杉丸子さくらまつり」=写真(提供:川連昌久・新丸子東栄会会長=の会場として長年地域に親しまれてきたところですが、2011年のさくらまつりまでで、その後は再開発で使用できなくなるようです。この地区の再開発の足音が段々大きくなってくることを象徴するような動きです。昔の雰囲気の残る地区が消えるのをさびしいと感じるのは小生だけではないでしょう。この313日には横須賀線武蔵小杉駅が開業とか・・・時代の大きな流れが武蔵小杉駅周辺を呑み込んでいく感を強く致しました。                                                     
                                                    (山 本)

☆2010.4.4 丸子・小杉桜まつり
総合自治会会館前でのベリーダンス 渋川沿いで花見。フリーマケットや出店が多数出店。
日本医科大学新丸校舎グランドの特設ステージ グランドに登場したミュージシャンのライブ
再開発進む武蔵小杉駅周辺で桜まつり/川崎・・・・神奈川新聞2010年4月4日

 編 集 後 記 

 私たちは地域の声を上げなければ、地域社会や交通機関は良くならないと考えております。視察会参加者のご意見や本報告書を通じて、地域を見直し変えていくきっかけになることを願って編集しました。

 文章だけでなく、写真からも武蔵小杉駅周辺の街を見てもらおうと報告書を仕上げました。また、チェックポインとのまとめに各地域のこぼれ話を掲載し、各地区の雰囲気を知ってもらうように努めました。

 本報告書はリソグラフ・モノクロ版で印刷のため写真は鮮明ではありません。本報告書に収録できなかった多数のカラー写真を含めて、当会ホームページの「視察会アンケート結果」にて紹介しておりますので、合わせてご覧ください。                                                                        
                                               (高 橋)

 ご意見・ご感想をメールアドレスにお寄せください。
今後後の動向なども合わせてホームページなどを通じて発表させていただきます。


 当会では毎月1度、武蔵小杉駅前の かわさき市民活動センター(2ページ地図参照)にて定例会を開催しております(開催日時はホームページをご参照ください)。ご参加をお待ちしております。

<メンバー紹介>

 ・野口 浩史   代表、事業統括、全体説明、意見交換会取り纏め等担当

 ・井坂 洋士   副代表、写真記録、C地区・Nバスターミナル説明担当

 ・小田部 明人  運営委員(渉外)、A地区・E鉄道関係説明担当

・高橋 喜宣   運営委員(企画)、B地区・H説明担当、写真記録

・山本 善保   運営委員(企画)、C地区・全般説明担当

・杉本 賢司   運営委員(企画)、Aエリア・Eバス関係説明担当

 ・大塚 敏高   運営委員(会計)、会計担当

 ・橋本 道哉   監 事

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