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トップ  その1 その2 自転車が熱いシリーズへ
川 崎 駅 周 辺 視 察 会 報 告
変 貌 す る 川 崎 駅 周 辺 を 再 発 見 
140万都市の玄関を、市民の目と足でチェック その3
 
 2010年10月3日(土)午後1時半から午後6時まで、当会ではかわさきTMOマネジャー笹原克氏をナビゲーターに迎え、川崎駅周辺駅視察会を開催。その報告書を一冊の冊子25頁にまとめ、かわさき市民活動センターや市内の図書館などに配布した。(PDF版参照)
 
 これはそのホームページ版である。
■ 総括と参加者アンケートから

■ 視察会総括

テキスト ボックス:  
ラゾーナ川崎の駐車場、建物内外は自転車で溢れている

○ 自転車対策は大変気が遠くなる
○&△ 東口と西口の違いが見えた。やはり東口の方が歩いて楽しい。

△ 昭和時代の失敗事例を作り直している東口と、一から再開発して改善が見られる西口で、あるゆる点でギャップを感じた。
△ あくまでその街に集う人達の願いに忠実でなければならないことを痛感した。
・市担当部署では都市計画は立てるが、スピードを上げて駅周辺の駐輪場対策を早急に実施してもらいたい。
・川崎駅が140万都市の中心という認識で都市計画が不十分に感じる。ただし、川崎市北部の方は、川崎駅が中心に思っていない面がある。武蔵小杉を川崎市の中心と考えるべきか?
・自転車に限れば、予想以上に駐輪場がありましたが、これを駅の近くにまとめたい。人口からみて1万台以上(注1)が必要ではないか。


注1:平成22年8月設定の「川崎駅東口周辺地区総合自転車対策基本計画」によれば、現在の収納可能台数は10,600台。
 しかし、それは歩行者道路にある見苦しい駐輪場や、利便性を無視した駐輪場を含めてのことだ。平成32年を人口増加のピーク時として東口の予想需要自転車数を15,408台とし、これを10年後に15,000台に段階的に整備する計画だ。このうち、約2,000台は商店街での買い物など短時間の利用として整備していくそうだ。


 市の「川崎駅東口周辺地区総合自転車対策基本計画」(概略版)(PDF)
 参加者アンケートから

1. 視察会を改善するには?
・視察後の発展は意見交換の場をつくる。一つ一つの視察を繋なげ、意味が見えるようにする。

・ちょっと時間が長かった。要領よくまとめるのは難しいが、焦点を絞った方が良かった。

・途中の説明がもう少しあれば良かった。人集めにもう少し工夫が必要だった。

・視察会の内容自体は悪いと思わないが、外部への周知効果があったかどうか、外部の方々に気を引くものができていたかどうかといった点に、やや疑問が残る。


2.注目する交通とまちづくりの事例
テキスト ボックス:  
都心のコミバス「ちぃばす」と港区高輪3丁目の2つバス停
・都市はそれぞれの事情があり、ほとんどの事例は参考にならない。例えば、川崎でみれば、福岡が最も近い事例となるが、やはり福岡は福岡で川崎とはならない。また、川崎のいいところは福岡では難しいのが実態である。

・自転車によるまちづくりを行いたい。(一般参加者)
①川崎市の現状を知りたい。

②隣接都市の世田谷や横浜の事例を調査したい。
 ③海外の事例については、フランス・ドイツ・ベルギー・デンマーク等を調べているが、環境という切り口から調査研究したい。
・池袋のLRT計画が動き出しているようだ。
・新幹線の新青森が旧青森駅より4km離れているので、その連絡方法がどうなるのか注目している。・港区のコミュニティバス。都内という便利な地域でありながら、区内全体の7路線を新設した。



2.その他気づいた点
・川崎区、幸区では自転車が非常に多いことが分かった。また、宮前区丘陵地区における自転車によるまちづくりを考えたい。
・気が遠くなるような自転車の台数で、解決するには並大抵のことではないが、じっくり気長にやってもらいたい。・川崎、池袋、横浜で連携するのはいかがでしょうか。
・素晴らしい企画であった。参加人数が9名で良かった。(10名以上ならかえって難しかったのでは?)

・笹原氏の説明はポイントのみの説明で分かりやすかった。 

「ちぃばす」・・・運営会社のフジエクスプレスのホームページ
■ 視察会を振り返って

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横須賀線武蔵小杉新駅前に誕生した駐輪場
● 歩いて楽しい街づくりに向けて

平成21年の「武蔵小杉駅周辺視察会」に続く当会2回目の視察会となった。直前まで雨天の予報が出た影響でキャンセルが出るなど参加者数が伸び悩んだことは残念だったが、参加者の協力により、無事充実した視察会を開催し、報告書刊行にまで至ることができた。この場をお借りして深く感謝を述べたい。

さて、今回は川崎駅周辺のまちづくりに永年取り組んでおられ「かわさきTMO」の笹原さんにナビゲーターをお願いした。

● 歩いて楽しい街づくりに向けて

平成21年の「武蔵小杉駅周辺視察会」に続く当会2回目の視察会となった。直前まで雨天の予報が出た影響でキャンセルが出るなど参加者数が伸び悩んだことは残念だったが、参加者の協力により、無事充実した視察会を開催し、報告書刊行にまで至ることができた。この場をお借りして深く感謝を述べたい。

さて、今回は川崎駅周辺のまちづくりに永年取り組んでおられ「かわさきTMO」の笹原さんにナビゲーターをお願いした。

私自身は川崎区で生まれ育ち、川崎駅周辺地域自体はとても慣れ親しんだ場所ではある。西口側は「ラゾーナ川崎」の中は確かに賑やかで歩いて楽しいが、そこから少し離れた道路や商店街は、放置自転車や駐車場待ちの自動車が目立ち、緑が乏しいなど、ラゾーナとその先の街が分断されたような印象を強く受けた。また、今回の視察会がなければ知り得なかったパワースポット「女躰(にょたい)神社」を発見したことは収穫であった。東口側は駅前商店街、地下街アゼリア、ラ・チッタデッラ、旧東海道があり、放置自転車・看板が気になったが、人が多く歩き、生活感があった。その中で「バスカー」が街に溶け込み、音楽を切り口とした魅力あるまちづくりが進められていることに共感を覚えた。今後、東口と西口が一体化した川崎駅周辺のまちづくり、永年来の課題である回遊性の課題、北口再開などのハード面と「バスカー」などのソフト面での取り組みが有効に働くのかなどについて、深く考えさせられた。 

また、自転車対策として駐輪場の整備が進んでいるものの、駐輪場までの誘導表示や走行空間については、多分に改善の余地があると感じた。                          (野口)

● 市全体で取組むべき自転車駐輪問題

今回の視察会で最も強く印象に残ったのは、駅東口周辺の駐輪場問題の深刻さである。設置場所が点在し分かりにくく、また管理者により運用方法も異なるなど、利用者にとって使用しづらい面があり、有効利用されているとは言えない。市の担当部署においても「総合自転車対策基本計画」を策定し、対策に乗り出しているが一部局だけの問題ではなく市全体で早急に取り組んでほしい。その際に重要なのが利用者の意識の向上である。日本では乗り方を含めて自転車をどう使いこなし活用していくかの議論や教育がほとんどなされてこなかった。今後は利用者自身を含めたソフト面の充実も必要と思える。

 来街者にとって、その街の印象を決める大きな要素は景観の美しさである。放置された自転車や道路上を不法占用している看板は「まちなみ景観」にとって大きなマイナス点である。今後も私たちは街中を歩く際、そんな問題意識を持ち続けることが大事と考える。                        (小田部)             

● 「百聞は一見に如かず」の姿勢で

 川崎駅周辺は、国内でも有数の放置自転車の数だそうです。実際に現場を見て、関係者の方々も色々苦労されて大変だという事実を肌で感じました。我々の市民活動を通じて、市の事情というものを少しでも市民の方々に伝え、社会に貢献できるよう今後も頑張っていきたいと思います。

 昔から「百聞は一見に如かず」と言うことわざがあるように、理論的な事を言っているよりも、我々は市民の方々が置かれている生活密着型の目線に立って、実際に足を運ぶことです。小さな草根から始めて、徐々に枝を増やしていくことです。そのようになるよう、私も恥ずかしながら微力ではありますが、頑張っていきたいという決意をしました。                                      (鵜沢)

● 「計画性のあるまちづくり」へ

個々に見れば決して良いものがないわけではないが、全体として一貫性がなくバラバラで、「便利なまち」とは程遠い印象がある。例えば、川崎駅東口は、駅舎が橋上なのに、バスやタクシーに乗るには、以前は一旦地下に潜る必要があった。現在は地平になり多少改善されたものの、やはり設計に無理があるように思えてならない。東口での経験から、西口は橋上通路のままラゾーナにつながり、バス停も橋上通路から下りる形になるなど、改善の跡が見られる。しかし、東口との一体感がない。また、JR川崎駅北口を復活させるのであれば、本来なら京急川崎駅とペデストリアンデッキでつなぐのが望ましいところだが、それを行う気配もない。さらに酷いのは駐輪場で、配置が場当たり的だ。

本来なら、幅広く総合的に見て、『便利なまち』を目指して明確なポリシーを打ち出し、それに沿った都市計画決定を行い、そのために必要な規制誘導をかけるべきところである。今後は、このような「計画性のあるまちづくり」を行ってほしい。                                  (宮川)

■ 川崎駅周辺地域の路線バス事情

■ 交通の要衝として発展した
  川崎駅周辺

川崎市の行政・議会・商業などが集積する川崎駅周辺は、江戸時代に入って再整備された五街道のひとつ、東海道の宿場町として栄えたことに始まる。渡船で多摩川を渡る人や川崎大師(平間寺)へ参詣に訪れる人の宿場として、また伝馬の中継地として、旅客・貨物の移動を支えた。
 明治5年(1872年)に日本最初の鉄道(現在の東海道本線)が開通した数ヶ月後に川崎駅が開業、さらに明治32年(1899年)に開業した大師電気鉄道が延伸して明治35年(1902年)には現在の京急川崎駅が開業した。
 当初は物珍しさも手伝って観光客を中心に運んだ鉄道だが、次第に生活交通を担うようになり、今では私たちの生活に欠かせない市民の足となった。さらに、近隣の宅地化や工場等の進出により、通勤や生活交通の需要が増大し続けてきた。


■ 川崎区の旅客交通が
  集中する川崎駅

JR川崎駅は川崎区・幸区の境に位置し、東口側が川崎区、西口側が幸区になる。両区の玄関口として機能している川崎駅は、JR・京急を合わせて毎日245千人もの人が利用している(平成20年度の各駅乗車人員、平成21年版 川崎市統計書より。JR川崎駅は186千人、京急川崎駅は59千人。ともに同駅内での乗り換えは含まないが、JRと京急の乗り換えは含まれる)。一方、川崎区内の他の鉄道駅(京急大師線各駅、京急八丁畷駅、JR南武支線(浜川崎線)の八丁畷、川崎新町、浜川崎駅、鶴見線の武蔵白石、大川、浜川崎、昭和、扇町駅)の利用者は計5万人ほど。こと川崎区内の鉄道駅では、川崎駅に利用者が集中していることが分かる。

■川崎区内の旅客交通を担い、川崎駅に集中する路線バス

駅周辺に住む・訪れる人は歩くとしても、駅から離れた所へ行く際には路線バスや自転車等に乗り換えることも多い。最寄駅と目的地の間の移動を端末交通と呼ぶが、川崎市が平成10年の東京都市圏パーソントリップ調査をもとに分析した資料を見ると、徒歩が62%、路線バスが28%、二輪車(自転車、オートバイ)が6%、自動車(タクシー、自家用車)が4%となっている。調査年が異なるなど単純比較はできないが、目安としてこの調査結果を当てはめてみると、川崎駅利用者のうち路線バスも利用している人は毎日69千人、自転車・オートバイを利用する人が15千人(うち自転車利用者は12千人ほど)となる。もちろん、ここには買物などで駅前へ訪れた人は含まれないので、もっと多くの人が川崎駅周辺へ訪れていることだろう。

このうち、川崎駅の東口側、川崎区の路線バスに注目すると、川崎区内を運行する一般路線バスは、羽田京急バス 蒲45系統(平成2212月現在、平日のみ12往復)を除く全てが川崎駅(東口)を発着しており、川崎区内で路線バスと鉄道を乗り継ぐ人のほとんどが川崎駅を利用していると考えられる。また、情報が開示されている市バス(川崎市交通局)の乗車人員を見ると、川崎駅(東口)を発着する系統の利用者数合計は一日平均で34千人(平成20年度、片道換算17千人。平成21年版 川崎市交通局事業概要より)。これに川崎鶴見臨港バスの利用者数(路線別では非公開)も加わる。路線バスが、川崎区民22万人(平成2212月現在)の生活交通の重要な役割を担っていることが分かるだろう。

■川崎駅東西バスターミナルの再編

このように、川崎区内の地域の足を担っている路線バスは川崎駅東口バスターミナルに集中している。さらに、以前は幸区へ向かう路線10系統も東口から発着しており、乗り場が入り組んで分かりにくい上、駅や商店街からバス停へ行くには一旦地下街を通らねばならない構造にも課題があったようだ。

川崎駅西口の真正面に立地していた東芝堀川町工場が移転し、跡地の再開発により現在の「ラゾーナ川崎」が造られた。この時に「川崎駅西口北」バスターミナルが新たに設けられ、平成1941日より、市バス、東急バス、臨港バスの10系統が移された。そこから東口駅前広場の再編整備計画が本格的に動き出し、駅前広場は駅からバス停や商店街へ、地表を歩いて出られる構造へと改められることになった。詳しいことは『2011川崎はその先へ〜川崎駅東口駅前広場再編整備について〜』ホームページで紹介されているが、鉄道駅と路線バス、駅と街とをつなぐ移動空間の歩行環境改善が大きなテーマになっている。

■川崎は『その先へ』行くために、何をすべきだろうか

まさにこの再編整備が完成する2011年を目前にして、川崎駅周辺を私たち市民が実際に歩いて見ることに、この視察会の狙いがあった。すると、実際にいろいろな課題が見えてきた。

今も昔も、交通は私たちの毎日の生活に欠かせないものであるとともに、街を大きく変える力をも秘めている。阿部市長は「平成23年の念頭にあたって」記者会見にて、これからのまちづくりの基礎に、駅周辺へのコンパクト化を進めるとともに、街全体を環境の展示場にすると述べた。川崎市の顔であり、川崎区民の生活を支え、歩く人、路線バスや自転車で訪れる人がほとんどを占めるここ川崎駅東口がどう変わるのか、どう変えるべきなのか。現場とデータの両方を見ることで、おのずと答えが見えてくるのではなかろうか。                                                                                      (井 坂)


■参考文献

『川崎はその先へ』「川崎駅東口駅前広場再編整備」ホームページ http://www.kawasaki-sonosaki.jp/
http://www.city.kawasaki.jp/50/50sigai/higashiguchi/hiroba/saihen-top.htm

川崎市統計書 平成21年(2009>年)版
・川崎市交通局事業概要 平成21年版
・東京都市圏パーソントリップ調査 ニューズレター(東京都市圏交通計画協議会)http://www.tokyo-pt.jp/
・川崎都市白書 平成20>年版(専修大学 都市政策研究センター)
・写真: 川崎駅東口駅前広場再編計画図(市のホームページより)
■ “歩いて楽しい街に”― 川崎駅周辺100円巡回バス構想 ―

「駐車場がないから商店街がさびれる。というのは間違いだ。川崎駅周辺を活性化させるためにも、採算性のある100円のワンコインバスを走らせたい」とかわさきTMOマネージャー・笹原克さんはいう。

テキスト ボックス:  
4日間で延べ1,400人が利用した無料循環バス
  (かわさきTMO通信2009年11月号から)

例えば、北九州市では、「ノーマイカーデー」という日を設定し、公共交通機関や自転車等でお出かけすると、市内の商店街や飲食店などでお得な特典が受けられるシステムを構築している。本事業のポイントは「値引きの原資は個々の商店がすべて負担すること。市は、キャンペーンのためのチラシを作成し、交通事業者は駅や車内での吊り広告などで広報する。平成19年秋のキャンペーン当時は、日過市場では来場者が倍増、売上は40%増となった。

 かわさきTMOでは平成207月から8月にかけて、「川崎駅周辺100円バス(ワンコインバス)構想」として、アンケートを実施した。その中で、川崎駅周辺で交通上不便に感じる点として「東西間の移動」を挙げた人が、住民で55%、来街者で62%。また、外出機会が増加するとの回答者が、住民で40%以上、来街者で30%以上に達した。

 平成21年秋、イベントが集中する1017日、18日、31日、111日の週末に、無料回遊バスを運行した。「駅東西と複数イベント間の回遊性向上を主眼に計画され」、循環ルートを主要時間25分、20分間隔で正午から午後6時まで、臨港バスと川崎市バスによって交互に運行された。

 『4日間の運行でしたが、若いカップルやベビーカーにお子様を乗せた家族連れから、お年寄りの夫婦まで、合計1,400人以上の方々がご利用下さり、「子どもが小さいので助かった」「西口と東口の行き来が便利だった」といった喜びの声や、「来年も是非運行して欲しい」「定期運行を望む」といった継続を希望する声も多く寄せられました』とTMOマネージャー・荒木淳さんは「かわさきTMO通信2009-11月号」に投稿している。

 この運行は、臨港バスの了解はとれたものの、まだ実現に至っていない。           (高 橋)

川時駅周辺100円巡回バス構想運行ルート
①川崎駅東口(さいか屋前)→②新川橋→③市立川崎病院前→④教員文化会館・図書館前→⑤川崎市役所前→
⑥川崎東口(リパーク前)→⑦ラゾーナ川崎プラザ北口→⑧南河原銀座→⑨能楽堂前→⑩太田総合病院前→①へ
停車位置は200~300m間隔、運行時間は午前7時から午後10時頃まで、15分間隔
提 言  ~ 地下街アゼリア駐車場を駐輪場・荷捌き場に!! ~

 巷で流行った歌『トイレの神様』ではトイレをきれいにする大切さが歌われ、私も小さい頃からトイレや玄関を見るとその家の程度が分かると教えられてきた。羽田国際化により海外客の来訪を望む140万都市川崎の玄関にあたるのが「川崎駅」。その川崎駅は、西口にラゾーナ川崎ができ、東口も再整備が進み、バスカーなどによる楽しいまちづくりが取り組まれる反面、ひとつしかない改札と狭いホームと通路に人が溢れ、放置自転車や野放図に置かれた立て看板により雑然とした「玄関」はそのまま川崎の評価につながってしまう。

ところで、少し前の川崎駅をご存じの方は放置自転車とホームレスに溢れた駅だったと覚えておられるかもしれない。現在、前者はともかく、後者はあまり気にならない程度となったが何故か。後者はパン券配布という緊急対策から保護施設等の整備による本格的な施策をとったのに対し、前者は未だに放置自転車対策という緊急的措置に止まり、本格的な対策に取り組んでいないからではないだろうか。目下進められている川崎駅東口周辺地区総合自転車対策基本計画についても、残念ながら今年完成する東口再整備に間に合せるための緊急対策的な位置付けに過ぎない。


~ 今ある資源を有効活用し、全国の範となる駅前交通政策・まちづくりへ ~

テキスト ボックス:  
賑わいを見せるアゼリア地下駐車場。車優先が売上増となるか?
駅前に駐輪場整備する際に駅前一等地に自転車のためのスペースを設けるのは無駄という意見がよく出される。では、駅前駐車場はどうなのか。地下街アゼリア駐車場の収容台数は366台。車1台のスペースが大体10平米。一方、自転車1台のスペースを1㎡程度とすると単純計算で車1台分のスペースに自転車10台分停められ、自転車であれば通路も駐車場よりも広くとれるため、約4,000台分の駐輪場ができる。これでも本書で紹介した葛西駅地下駐輪場の半分にしかならないが、地上で100台単位の駐輪場を整備するよりもはるかにスケールメリットがある。また、仮に自転車利用者の半数2,000名が買い物客となり、自動車1台に4人の買い物客が乗ったとしても1,500名程度と自転車に及ばず、地下街アゼリアを始め、駅前商店街にとっての商業活性化効果から考えると、いったいどちらが無駄なのかは一目瞭然。さらに駅前通りの左側車線をつぶす違法駐車は当然取締りを強化するが、荷捌き目的の車については高さ制限をクリアすれば地下に共同荷捌き場を設けて誘導すれば、バス交通に資するだけでなく、車道に自転車レーン設置もしやすくなる。

 川崎駅周辺の自転車対策については、当会ではパブリックコメントを出し、ホームページに公開しているので、内容の紹介は割愛するが、全国的にも有数の放置自転車都市という汚名を返上し、市民の足であり、交通分野における地球温暖化防止対策の切り札でもある自転車の利用促進を図るべき川崎としては、緊急避難的・場当たり的な政策にダラダラと時間とお金をかけるのではなく、日本で最も進んだ交通政策とまちづくりに本腰を入れて取りかかる必要があろう。

 そこで、費用を抑えつつ、駅周辺駐輪場台数確保と自転車利用促進による商業活性化・地球温暖化対策を図るため、既存の「地下街アゼリア駐車場を駐輪場・荷捌き場に!」を提言したい。その実現には都市計画、まちづくりにおける第一線の専門家の参加も必要である。しかし、何よりも川崎駅前の道路・駐輪場等のユーザーである我々市民・市民団体が川崎駅周辺のまちづくりに参画できる仕組みが必要である。                            (野 口) 

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(CC) 川崎の交通とまちづくりを考える会 Some Rights Reserved. 自転車が熱い サイトマップ